2017年01月16日

鳥の学校「鳥類研究のためのGIS講習」に参加して

2017年1月17日
松本経(北見工業大学)


地理的な情報を扱うにはGIS(地理情報システム)ソフトが便利ですが、GISソフトは高額なソフトというイメージが私にはありました。ところが、今回の鳥の学校に参加して、そんな偏見を吹き飛ばしてくれるフリーのGISソフトが既に存在していることが分かりました。酪農学園大学にて開催された講習では、参加者1人1人に1台のデスクトップPCと講習テキストを用意していただき、酪農学園大学の鈴木透さんに講義をしていただきました。午前中は座標値を扱うために必須となる空間参照系や、ポイント、ポリゴンといった空間データの特性の説明から始まり、今回使用した「QGIS」というGISソフトのダウンロード方法と初歩的な操作について、実際にPCを操作しながら体験しました。午後は位置情報を含むデータを利用してQGIS上で地図を作成し、さらにより見栄えのよい地図を作成するための編集方法も教えていただきました。嬉しいことに、インターネット上に公開されている国内植生図、土地利用図、標高データ等の無料ダウンロードサイトについてもご紹介いただき、今後の研究にとってとても有益な情報も得ることができました。後半の講習では、GPSの測位データを地図上にポイントとして描画し、道路のようにラインとして表現される異なる種類の地理データとの間で最短距離を算出する方法や、ラインから一定の距離内にあるポイントを特定してラインとの距離を算出・集計する方法、さらには多数のポイントをもとに動物の行動圏を算出してその面積を求める方法などを体験し、GISソフトの便利さを実感しました。

これまで空間情報の分析には高価なGISソフトを購入するしかないという悲観的な思い込みがあったのですが、特殊な分析方法を必要としないのでしたら、QGISでも分析者の要求を十分に満たしてくれると思います。特に、日本語版QGISはソフト内の表記はほぼ全て日本語で表記されているため、GIS初心者にとってもありがたいソフトです。最近ではQGISに関する書物も増えてきているようですので、鳥類研究に限らず様々な分野でユーザー拡大の可能性を秘めている有望なフリーソフトといえるでしょう。今回の講習会を企画・運営してくださったスタッフの方々に改めて感謝いたします。
posted by 日本鳥学会 at 19:38| Comment(0) | 大会報告
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