2018年10月09日

日本鳥学会ポスター賞を受賞した感想

慶應義塾大学 清水拓海

 栄誉ある日本鳥学会のポスター賞を頂きまして,誠にありがとうございます.私はこれまで主にアカハライモリの研究をしていたため,今年初めて鳥学会に参加しました.猛禽専門の友人にイモリの研究内容を応用しないかと勧められ,トラフズクのペリット解析に共同で取り掛かったのが始まりです.解析から興味深い結果を得ることができたので,ポスター発表を決めました.受賞を知った時には大変驚きましたが,同時にとても嬉しく感じたのを覚えています.私を鳥の研究の世界に引き込んでくれた友人や,ペリット採取を手伝ってくれた研究室の後輩達,そして意見をくださった先生方のお陰で,ポスター賞を受賞することができました.本当に感謝しています.
 今回参加したことで多くの方と議論することができ,今後の鳥の研究について明確な計画性を持たせることができました.記念品としていただいたmont-bellのジャケットを着て,フィールドワークに出るのが楽しみです.来年度以降も鳥学会で発表できるよう,研究をより一層頑張りたいと思います.
 最後に日本鳥学会2018の運営に携わった方々にこの場を借りて御礼申し上げます.とても有意義で楽しく,多くを学ぶことができた学会でした.

ポスターの概略
 食性は対象となる種の生態的特性を把握するために必須の情報であり,捕食-被食の相互作用の解明は生態学の基礎情報としても有用であると言えます.トラフズクなどの猛禽類は消化しきれない骨などをペリットとして吐き出すことが知られており,これまでにも多くの先行研究があるものの,餌動物の同定には技術と時間が必要でした.また損傷が激しいものや,消化作用によって目視では検出しにくい餌動物もペリットには多く含まれている可能性があります.そこで,近年急速に発展しているDNAメタバーコーディング技術を用いて,ペリットに含まれるDNAから餌動物を網羅的に検出する研究に取り組みました.サンプルには神奈川県で越冬しているトラフズクのペリットを使用しました.
 その結果,実際に捕食していると考えられる餌動物(哺乳綱2種:ハツカネズミ,アブラコウモリ,鳥綱5種:カワセミ,ツグミ,スズメ,ホオジロ,ヒヨドリ)を種レベルで同定することができました.骨や羽から餌動物を同定する技術がなくても,DNAメタバーコーディング技術によって,ペリットから小型哺乳綱,小型鳥綱を網羅的に検出し,種の特定も可能であることが判明しました.
 今後はコンタミネーションなどの課題解決に取り組みます.また,季節や周辺環境によってどのように食性が変化するのかについても,解明していきたいと考えています.

DSC_2651.JPG
解析に用いたペリットを吐き出してくれたトラフズク


posted by 日本鳥学会 at 16:59| Comment(0) | 大会報告
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