2016年12月05日

論文(おもに海外雑誌)の入手方法

2016年12月5日 広報委員長 三上修

原稿が少ないので、広報委員長自ら原稿を書こうと思います。一応、鳥学通信は月2報くらいを目指していますから。

今回の内容は、「論文(おもに海外雑誌)が読みたいけれど、手に入らない場合どうすればいいか」です(下の図は、図がないと寂しいので無理やり作成したものです)。

図3.png

昨今、大学間で読める論文に格差があることが問題となっています。
たとえば以下のようなところに議論があります。
河野太郎 ちょっと研究者の皆様へ
知の格差──電子化時代の大学図書館における図書資料費の変動──
電子ジャーナルの効率的な整備
外国雑誌のRenewalと価格問題

あくまで私個人の感覚になりますが、トップ大学(たとえば東大)では、ネット上で検索して「読みたい」と思った論文の9割くらいは、その場でダウンロードできます。これが、有名国立大学だと(たとえば東大京大を除く旧帝大)7割くらい、有名私立だと5割くらい、地方大学だと3割くらいになります。個人宅になれば、1割くらいでしょうか。あくまで個人の感想です。

なぜそんなことが起こるかといえば、各大学の図書館で契約している雑誌、あるいは出版社(最近は、出版社で複数の論文がパッケージになって契約対象になっています)が異なるからです。

この「読みたいときに読めない」というのは、かなりのストレスです。大学間格差を嘆いても良いのですが、それでは何も解決しないので、いくつか私が使ってる方法をご紹介します。

1.買う
論文1本1本を買うことができます。ただ、恐ろしく高くてワイリー(多くの科学論文の出版を手がけているいる大手の出版社)だと、48時間読むだけで6ドル、クラウド上に置くだけ(ダウンロードできない、読むだけ)だと15ドル、PDF購入だと38ドルかかります。1つの論文にさすがに4000円を払う気にはなりません。せめて500円くらいになれば、買う気になるのですけれど…。

2.リポジトリを探す
雑誌によって規定が違いますが、「投稿したバージョン」は、著者が所属する大学の図書館においている場合があります。それを見つけると論文の大筋はわかります。
たとえば、ワイリーの規定には、以下のようにあります。
http://www.wiley.co.jp/blog/pse/?p=30591

3.著者に請求する
著者本人に直接メールを書いてお願いする手もありますが、ResearchGateのようなものを使う方法もあります。
このあたりも、実は細かいルールがあるので出版社情報をご確認下さい。ここでは先ほどのワイリーの規定を載せておきます。
http://www.wiley.co.jp/blog/pse/?p=30591

4.無料で読めるところを探す
たとえばJSTORという電子図書館みたいなところでは登録すると、3つの論文を「棚に置くこと」ができます。「棚においた論文」はダウンロードはできませんが、ブラウザ上で読むことができます。この「棚においた論文」は2週間経つと取り除くことができ、また新たに論文を「棚におく事=読むこと」ができます。お金を払うと、よりたくさんの論文を「棚におく」ことができます。JSTORでは、月19.5ドルで、読みたい放題(たぶん?)になり、10個の論文PDFをダウンロードできるようになります。

5.DeepDyveで読む
4に似ていますが、お金を払うとネット上で論文を読むことができます(ダウンロードはできません)。DeepDyveというサイトだと、月に40ドル払うと、DeepDyveにある雑誌の論文なら読み放題になります(ただし、すべての雑誌があるわけではありません。少しずつ増えてはいますけれど)。鳥学関係だと、IBISやJournal of Avian Biologyならここで読むことができます。
なお以前、知人にこのサイトの有益性を話しをしたら、わかってもらえませんでした。なぜなら、その知人がいる大学では、そんなものに頼る必要がないからです。あの時は泣けました。

みなさまも、ほかに良い方法があれば、お教えください。そして、それを鳥学通信に投稿してくださいませ。
posted by 日本鳥学会 at 17:45| Comment(0) | 鳥学の知恵袋