2016年03月31日

facebookとtwitterのアカウントを取得しました。

2016年3月31日
広報委員長 三上修


facebookとtwitterのアカウントを取得しました。

https://www.facebook.com/ornithology.jp
https://twitter.com/search?q=Ornithol_Soc_JP&src=typd&lang=ja

鳥学会の情報の収集および拡散にお役に立てていただければ幸いです。
posted by 日本鳥学会 at 14:16| Comment(0) | 広報委員

2016年03月03日

骨を折って編集した「奄美群島の自然史学 亜熱帯島嶼の生物多様性」の紹介

2016年3月3日
環境省奄美野生生物保護センター 水田拓


私の職場である環境省奄美野生生物保護センターには多くの研究者が来訪します。さまざまな研究者にお会いし、そのお話を聞くにつけ、自然史研究の面白さ、奥深さを実感し、こんな話を内輪にとどめておくのはもったいない、広く一般の人々に、例えば本などにして紹介することができれば、と、以前から考えていました。

とはいえ、本など簡単にできるものではありません。気になりつつも、出版はなかば妄想のように頭の中にとどまっているだけでした。ところが。妄想が実現するきっかけとなる出来事が2年前に起こりました。2月のある雨の晩に、職場から自宅に歩いて帰る途中、水たまりで足を滑らせ転倒し、あろうことか左足を骨折してしまったのです。全治3か月。野外調査が始まろうという大切な時期に、山歩きはおろか日常生活もままならない事態に陥りました。

意に反して机の前から動けない時間が3か月できたとき、くだんの妄想が浮かび上がってきました。これを機に、出版に向けて動き始めよう。幸い東海大学出版部の編集者、稲英史氏を紹介してくださる方がいて、稲氏に出版を引き受けてもらえることになりました。またうれしいことに、原稿を依頼した全ての方から執筆承諾の返事をいただけました。こうして多くの方々の協力のもとにできあがったのが、この「奄美群島の自然史学 亜熱帯島嶼の生物多様性」です。骨折したのが2014年の2月19日、出版されたのが2016年2月20日ですから、まるまる2年をかけて、妄想が現実のものとなったことになります。
「奄美群島の自然史学」表紙.jpg


まあそんな個人的な経験はさておき、この本では総勢23名におよぶ研究者が分担執筆して、奄美群島を舞台に自身が行っている自然史研究について紹介しています。研究対象や研究分野は幅広く、内容は単なる一地方の自然の紹介にとどまっていません。奄美群島という地方を軸としながらも「自然史研究とはなにか」を具体的に示した、教科書としても読める本になっているのではないかと自負しています。また、研究内容が面白いだけでなく、それぞれの著者の文章からは、野外調査の苦労や喜び、奄美群島の自然に対する熱い思いなども伝わってきます。そこはかとないユーモアさえ感じられる対象生物への愛情表現も見逃せません。生き物が好き、自然史研究が好きな人には、きっと面白く読んでいただけると思います。

ところで、著者は23名いるのに表紙に「水田拓編著」とだけ書かれているのは、なんとも面はゆい気がします。しかしこれは、内容に関する責任は全て水田が負う、ということの現れでもあります。誤りは、編集段階で何度見直しても次から次へと見つかりました。もしかしたらまだあるかもしれません。いやきっとあるでしょう。誤りの指摘は真摯に受け止め、批判は甘んじて受けたいと思っています。しかしそれ以上に、賞賛には手放しで喜びます。文字通り骨を折って編集したこの本、ぜひお読みいただき、感想などもらえればありがたく思います。
posted by 日本鳥学会 at 15:25| Comment(0) | 本の紹介

2016年02月17日

シリーズ「鳥に関わる職に就く」:受け身の達人

2016年2月17日
森林総合研究所 川上和人

バイクにまたがる筆者.jpg
黒いのがバイクで、赤いのが著者。

「このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!」
彼は夢に向けて進み、見事ギャングのボスになる。海賊王、天下一武闘会、主人公達は熱い目的意識で未来に向かっていく。

しかしそんな明確で壮大な夢に突き進む主役級の人材は、現実には一握りだ。主人公への視線は憧憬であって共感ではない。私も大それた野望もなく、破廉恥なことばかり考えながら受動的で器用貧乏な半生を過ごしてきた。

受動的も器用貧乏も、ニュアンスは悪口である。しかしこれも処世術と心得たい。中途半端な受け身は身を滅ぼすが、とことん受けて立てばいつか達人の域に達し、器用大富豪になるはずだ。

大学三年の私は、恩師となる樋口広芳先生の研究室の門を叩いた。
「鳥類について學びたく、何卒御指導賜りたい」
「では君、小笠原でメグロを研究してみ給へ」
名前も場所もとんと聞いたことがない地名だったが、大志を抱かぬ私にとって師の導きは宇宙の真理である。
「仰せのままに」

さも自らの意志であるかのような顔で小笠原の土を踏み、以来20余年間そこで研究を続けている。同じく小笠原で研究を進める森林総合研究所のスタッフと出会うまで、長い時間は要しなかった。
メグロ.jpg
メグロ。この鳥のおかげで,今の私がある。

「君、森林総研で小笠原の研究をする気はあるかね」
3年ほど経った頃である。大学院在学中の私には、就職なぞまだ現実感のない2001年宇宙の旅のようなもので、とっくりと考えたこともない。
「それはもちろんでございます」
突如の質問にはとりあえずイエスで答える。ノーと言えない由緒正しい日本男児の姿を確と見よ。

急遽公務員試験を受け博士課程を中退し、現職に至る扉を開く。森林総合研究所は林野庁傘下の研究開発法人である。爾来、世のため人のため林野庁のため自分のため、鳥学に身を委ねる毎日である。
「君、カタツムリの調査をしてくれ給へ」
「君、予算をとってきてくれ給へ」
「君、恐竜の本を書いてくれ給へ」
「君、バイク雑誌の原稿を書いてくれ給へ」

依頼や勧誘を承諾し続けると、経験値も選択肢も拡大する。断り続けると縮小する。鳥学分野での就職難は最近始まったことではない。選択肢の拡大は重要な戦略だ。私が現職に誘われたのも、何でもやりますと二枚舌と八方美人を駆使していたからに他ならない。

今もって具体的な目標はない。しかし、具体ではないが明確な目標がある。長期的に明るく楽しく鳥学に励むことだ。その経路もゴールも問うつもりはない。汚名も謹んで拝命しよう。

大志の成就を目論む者は、賢明にその道を進むがよかろう。しかし流され人生も恥じ入る必要は皆目ない。私と同じく破廉恥で自堕落な、ただし鳥学をこよなく愛する後進達には、受け身の達人を目指して八方美人な鳥学道を歩んでほしい。

そしていつか、上手に断れずにこんな原稿を引き受けてもらいたい。
posted by 日本鳥学会 at 13:41| Comment(0) | シリーズ「鳥に関わる職に就く」

2016年02月15日

「ポスター賞、始めました」

2016年2月15日
企画委員長 川上和人

2016年、鳥学の新たな歴史が始まります。
新賞「日本鳥学会ポスター賞」の誕生です。

今年は、記念すべき第一回目の賞を得る未来永劫唯一のチャンスです。この栄誉に向け、多数の応募をお待ちしております。

いや、過去にもポスター賞があったではないかというご意見もありましょう。確かにその通りです。しかし、これらは各大会の事務局により独自に運営されたものでした。これからは、鳥学会公認の正式な賞として毎年の募集が決定したのです。

賞の最大の目的は、若手の独創的な研究を奨励することです。ここで鳥学の魅力を語ることは、釈迦に説法、孔子に論語、文明堂にカステラの美味を説くような愚行ですので、あえては申し上げません。賞の新設により、この魅力あふれる鳥学の将来を担う若手を、学会として応援したいと考えているのです。

当たり前の話ですが、賞の主役は授与する側ではなく応募者です。まだ実績が少なくとも、オリジナリティの高い研究を展開する若人の参加をお待ちしております。100年の歴史を持つ鳥学会に未来の歴史を紡ぐのは、他の誰でもない皆さんなのです。

さて申し上げにくいことですが、目的に照らし応募資格を30歳以下に限定させていただきました。この点を平にご容赦下さい。若い若いと思っていても、月日の流れは速いものです。資格のある方はお早めに!

詳細は特設サイトをご覧下さい。
では、鳥学会大会の授賞式でお待ちしております。
posted by 日本鳥学会 at 10:55| Comment(0) | 委員会連絡

2016年02月08日

故郷の北海道で,鳥の研究室はじめました

2016年2月8日
酪農学園大学 環境共生学類
環境動物学研究室 森さやか


1月に広報委員に任命されると共に,三上修委員長からこの原稿を書くよう,最初の任務を拝命いたしました.ブログ化以前の鳥学通信には,「飛び立つ!」という,就職したての研究者のコーナーがありました.私は就職してから既に2年が経とうとしていますが,近況について紹介させていただきたいと思います.

私は2014年4月から,北海道の江別市にある酪農学園大学に准教授として勤務しています.江別市は札幌市の隣にあり,札幌駅から大学最寄り駅まではJRで15分ほどです.ただし,酪農学園大学と言う名の通り,大学の前には畑や牧草地が広がっています.そのため,最寄駅から大学の建物に至るまでには,徒歩でさらに15分ほどかかります.大学の裏手には,クマゲラやフクロウも繁殖する野幌森林公園が広がっています.私の研究室は公園側に面しているので,窓を開けると居ながらにして,さわやかな鳥たちの声が聞こえてきます.
環境動物学研究室のベランダからの風景.奥が野幌森林公園に続く森林_R.JPG
環境動物学研究室のベランダからの風景.奥が野幌森林公園に続く森林

私は札幌市出身なのですが,18年ぶりに落ち着いて故郷に生活拠点を置くことになりました.研究活動では,学生時代からずっと北海道を主なフィールドとしてきましたので,北海道に戻ってこられたのは幸運だと思っています.

さて,酪農学園大学は,学部・学科の代わりに学群・学類制を採用しており,獣医学群と農食環境学群があります.私の所属する環境共生学類は農食環境学群に属し,理系・文系の多様な視点から,環境と調和・共生する社会の実現に向けた教育と研究活動を展開しており,博士課程まで進学も可能です.野生動物関係では,特にシカやクマ等の哺乳類の管理や狩猟に関わる研究や活動に力を入れており,GISやリモートセンシング関連の設備も充実しています.昨年からは,DNAの解析設備も整いつつあります.40代の教員が多く,研究分野の近い教員には,学部時代からお世話になってきた方や,出身研究室の先輩方もいます.そのため,いろいろと相談や協力はしやすい雰囲気です.
環境動物学研究室のDNA実験室_R.JPG
環境動物学研究室のDNA実験室

私は,環境動物学研究室という研究室を開設しました.他に鳥類を専門とする教員がいないため,当面は鳥類専門の研究室として運営していくことにしました.学生は1学年定員8名で,3年生から研究室に配属されます.昨春の着任とほぼ同時に定員一杯の3年生が配属され,道筋をつけるのに苦労をしてきましたが,彼らも現在は卒論をまとめているところです.今年は研究室運営も少し軌道に乗ってきて,来年度の4年生は,今年度よりもレベルの高い課題に取り組む意欲を見せています.毎年徐々に研究室の活動を盛り上げていければよいかなと思っています.
昨年秋に学類で導入したDNAシーケンサー_R.JPG
昨年秋に学類で導入したDNAシーケンサー

このところ,北海道には,鳥学会で活躍する研究者が集まりつつあるようです.全国的に鳥の研究を出来る大学が減っている印象でしたが,北海道での活動は,今後ますます活発になりそうです.私もその一翼を担えるように,教育活動も研究活動も一層責任と意欲を持って取り組んでいかなくてはならないと思っています.とりあえずは,今年の札幌大会を,札幌近郊勢のみなさんと力を合わせて盛り上げていきたいと思います.

最後に,大学教員として教育にあたる立場になり,過去に自分が受けてきた指導や経験してきたことを振り返ることが多くなりました.これまでいろいろなご指導,ご支援をいただいてきたみなさまに,改めて感謝いたします.今後ともどうぞよろしくお願いいたします.
posted by 日本鳥学会 at 12:40| Comment(0) | 研究室紹介

2016年01月25日

シリーズ「鳥に関わる職に就く」:タイミング,求めよさらば与えられん

2016年1月25日
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 上席主任研究員
嶋田 哲郎


鳥学で仕事をする,本当に狭き門です.少ない席をめぐって熾烈な競争があります.私の話は,上には上がいる,と思ってもなおかつ鳥学で仕事をしたい人のための話です.私の同期(40代半ば)には優秀な鳥学者がたくさんいます.あいつにはかなわないなあ,と思う人が頭に浮かびます.また,和文誌編集委員などいくつかの学会役員をやらせていただきましたが,みなさん頭の回転が速く,仕事が速すぎます.

さて,こういう上には上がいる状況で,どうしたら鳥学の仕事につけるのでしょうか?それはタイミングです.最初から身も蓋もない言葉で申し訳ありません.でも続きがあります.タイミング,求めよさらば与えられんです.

修士2年の頃,博士課程にすすんで自分の研究を極める覚悟がなかったこと,経済的な事情もあり,修士で終えて就職しようと思っていました.鳥学会には学部のときから参加していました.私の同期の鳥学者は繁殖期の鳥をやっている人が多かったのですが,非繁殖期でガンカモというのは当時私くらいでした.そういう意味では競争相手は少なかったといえます.ガンカモをやっている数少ない若手として,学会を通じて多くの水鳥研究者と深く交流できたことは,就職につながる背景のひとつでした.

伊豆沼内沼サンクチュアリセンター.jpg
宮城県伊豆沼にある職場の伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター

もうひとつ,どんなにつまらない内容でもできるだけ論文を書くようにしていました.自分が新しい発見しているのだという高揚感,そしてそれを論文にすれば自分の仕事が永遠に残るという事実は私にはたいへんな魅力でした.論文として少しずつでも結果を積み重ねていけば,見てくれている人は見てくれているものです.日本雁を保護する会の呉地正行さんから財団で職員を探しているよ,という連絡をいただき,その話に飛びついてから今に至ります.

私は学位よりも就職を選びました。一方で,同期がすばらしい業績を上げて博士号を次々に取得していく中,早く学位をとらなければという焦燥感にかられました.また,研究員という肩書きをもちながら博士号をもっていないことに引け目を感じていました.ようやくホッとできたのは,論文博士として博士号を取得できた,就職してから10年後のことでした.

鳥学で仕事をするにはいろいろな道があります.私の場合,就職はタイミングがよかったというしかありません.しかし,振り返ってみると,結果的にではありますが,タイミングをつかむための努力はしていたように思います.上には上がいる,という事実に幾度となく自信をなくしつつも自分のオリジナリテイを常に探っていました.そして,学会に出て見識を広めること,自分の実績を着実に残すこともしていました.そういうことが鳥学で仕事をするためのタイミングを引き寄せたのだろうと思います.見ている人は必ず見ています.
posted by 日本鳥学会 at 12:23| Comment(0) | シリーズ「鳥に関わる職に就く」

2016年01月24日

シリーズ:「鳥に関わる職に就く」の刊行

2016年1月24日
広報委員会 三上修


広報委員会からの新しい鳥学通信のシリーズの紹介です。
それは、タイトルのとおり「鳥に関わる職に就く」というものです。

現在、鳥学に関わらず、若手研究者の就職が厳しくなっています。
大きな理由は、1.不況、2.少子化、3.ポストポスドク問題の3つでしょう。
簡単に説明します。

1.不況によって、あらゆるところに余裕がなくなっていて、これまであったポストが、職についていた方が去ると同時にポストそのものが無くなる傾向にあります。
2.少子化に伴い、教育関連のポスト、とくに大学のポストが減少しています。
3.ポスドクを増やす政策が行われたあと、その受け皿がないままポスドクが増え、とてつもない競争状態に陥っています。

と、なかなか大変なことはありますが、鳥に関わる仕事で生きていく、それが楽しい、ということを若手研究者、あるいはもっと若い世代である学部生や、さらには高校生に伝えて、進学したり、進学せずとも鳥の分野に入ってきて欲しいという思っています。

そこで、鳥に関わる多様な職についている方に、どうやって、その業種に入ったのか、その苦労、楽しみ、職をつかむコツなど、書いてもらおうと思いました。

それによって、若手の希望になったり、なにか作戦を考えてもらえばと思っています。
これから、不定期に掲載していきます。
posted by 日本鳥学会 at 12:05| Comment(0) | 広報委員